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#60 世界で最も命をかけた祭 「パンプローナのサンフェルミン祭」- The World’s Deadliest Festival “San Fermin Festival in Pamplona”

#60 世界で最も命をかけた祭 「パンプローナのサンフェルミン祭」- The World’s Deadliest Festival “San Fermin Festival in Pamplona”

(動画は近日公開予定)

写真はこちら

サンフェルミン、通称「牛追い祭り」
テレビで見たことある人も多いのではないでしょうか?
今回は牛追い祭りと素人闘牛に参加してきました。
この1年間で最も死を感じた1日でした。

牛追いって言うけど、実際は牛に追われます。
逃げ場のない細長い路地を、尖った角を持つ闘牛たちが後ろから猛スピードで走ってくるのです。

ある者は牛が来る前に余裕でゴールし、ある者はうまく道の脇にそれて闘牛を避け、ある者は闘牛と接触し負傷します(過去に14人ほど死んでます)。

僕も牛追いに参加して走ってきました。

そして、

気付いたら闘牛が僕の足の上に覆いかぶさってました。

体重600kg以上ある闘牛が。

僕はかなり前の方にいたんで、走らずに牛が近付いてくるのを待ってたんです。
で、だんだん後ろからくる人の走る速度が速くなってきて、気付いたらみんな眼がマジ、で猛ダッシュしてくる。
牛はまだ見えないが、逃げないとやばい、と直感し、必死で走り出す。
止まったら死ぬ。転んだら死ぬ。
死んでもこんな場面で転ぶものか、と思うだろうが、得てして多くの人が転ぶ。
人間ガチで死を感じると、我先にという精神で前の人を押しのけてでも前に行こうとするので、そうすると誰かが転ぶ。
前の人が転べば自分も転ぶ。
もはや自分一人の問題ではない。
僕も前の人達につられてゴールの闘牛場をくぐる直前で転んだ。
下手に起き上がると逆に危険なので、そういう時は頭を抱えてうずくまり、嵐が去るのを待つしかない。
僕含め何人かが通路の端でうずくまっていると、すごい音で何かが過ぎ去り、次に誰かが僕の上に倒れてきた。牛だった。
鋭利な角をむき出しにした闘牛の1頭が転んで、僕の足の上に倒れてきていた。
600kg以上の巨体の下から必死で足を抜いて、ゴールに逃げてきた。マジで怖かった。

素人闘牛は、牛追い祭りで牛より後にゴールした勇敢な者だけが参加できるイベント。
素人200人が素手で一頭の牛と闘う。

200対1なら何とかなるようにも聞こえるが、その恐怖は想像を絶する。
想像してたより2倍大きく、想像してたより5倍速く、想像してたより80倍恐ろしかった。

みんな牛から逃げ回り、たまに勇敢な男が立ち向かうが、最終的にはみんな角で突き上げられたり、引きずられたりして負傷していく。
中には気絶して担架で運ばれる人も。

僕も素人闘牛に参加しました。

そして、

スピードに乗った体重600kgの牛の前脚が、僕のふくらはぎをめりめりに踏んできて、戦線離脱を余儀なくされました。
数日間は足を引きずって歩いてました。

牛追いと素人闘牛、あっという間の1時間半だけど、めちゃめちゃ濃い体験でした!
※今回は参加者だったので自撮り写真やもらった写真ばっかです

(ちなみに)
サンフェルミンでは毎日夜はプロの闘牛士による闘牛が行われ盛り上がるのですが、闘牛の写真・動画はアップしない事にしました。
個人的には1つの伝統行事として鑑賞してきましたが、動物愛護の観点から批判的な意見も多いので。

次はバルセロナ!

◾️これから旅する人へ

〈旅の見どころ&ティップス〉
・サンフェルミン祭 …連日、朝から朝までイベントが続いている。街中みんな、赤ちゃんからお婆ちゃんまで赤と白の格好をしているので、逆にそれ以外の服を着ていた方が浮くと思った方が良い。基本は上下白に、首に赤いスカーフと赤い腰紐。おしゃれな人はバッグや靴まで赤くしている。服は現地のいたるところで買えるので心配無用。

・牛追い祭り/ Running …当日夜に闘牛で闘う牛を朝8時に闘牛場まで追い込むイベント。牛追いと言っても人間は牛の前を走るので正しくは牛追われである。毎朝7時半にコースに入れば予約不要で誰でも参加できる。毎年多くの怪我人が出るし、過去に14人ほど死んでいるので、参加は自己責任で。ちなみに、コース上のどこからスタートしても良いので、ゴール(闘牛場)付近からスタートして牛を見ずにすぐにゴールすれば、何のリスクもなく牛追いに参加できる。しかし、多少なりとも牛の雰囲気を感じたいと思うものなら、ガチで危険。理由は前述の通り。

・素人闘牛 …全闘牛が闘牛場に入ると間も無くゲートが閉じられるのだが、その前に闘牛場にゴールできた人達は素人闘牛に参加できる。だいたい100-200人ぐらいの人が一頭の子牛と闘う。人間が危なくないよう、子牛の角はテープで巻かれているので、死ぬ可能性はゼロに近いと思う。しかし、子牛と侮るなかれ、体重は500kgを超えるし、その加速、方向変換のキレは人間の比ではない。動画を見て僕はなめていたが、動画で見るのと実際に対峙するのは大違い、想像の3倍大きく、10倍速く、100倍怖かった。それでも、何人かの勇敢な男達は牛の角をつかみ、牛を押さえに行こうとし、そんな時は場内が歓声に包まれる。それでも最終的には牛に引きずられ踏みつぶされ跳ね飛ばされ、数人は病院送りになる。僕の目の前でも1人気絶するまでやられて、係に引きずられて去って行った男がいた。正面から立ち向かうのはマジで自己責任なので、そのつもりで。もし勇敢に戦う人は、せめて上下長袖で行った方がいい。
ちなみに、子牛は交代交代で全6頭ぐらい出てくるが、子牛が闘牛場に入る門の前で、10人ぐらいが固まってうつ伏せになって、その上を子牛が飛び越えていく、という小イベントがある。これは危険性はすくないが、参加するなら我先に1番下に寝た方が良い。上の方だと牛に踏まれ加速したその全体重を喰らうはめになるからだ。これで僕はふくらはぎを踏まれ、1週間は足を引きずっていた。。。

・闘牛観戦 …かなり前からチケットを購入してない限り、ダフ屋から買う事になる。当日の開始前後に買えば実際価格の1.5〜2倍程度で買えるっぽい。ちなみに、闘牛は必ず最後に人間が牛を殺す事になるので、見る人によってはとても切なく悲しく怒りにも似た気持ちになる。特に動物愛の強い人は。僕は彼女と行ったが、彼女は最初の試合を見て泣いてしまい、その後の試合は全く見ていなかった。闘牛にも長い歴史と伝統があるので簡単に非難する事はできないが、少なくとも誰かと行く場合には同行者がどういう人か考えてから行った方がいい。ちなみに、観戦するにしても闘牛より素人闘牛の方が楽しいかも。

・宿…サンフェルミン中はホテルはどこもかなり前から完売する。airbnbだけでなく、一般家庭も旅行者に部屋を貸し出している。現地に行けばそこらじゅうに張り紙が貼ってある。それでも高いので、お金がない人はみんな広場の芝生とかで寝てる(または朝まで飲んでる)。

〈時期〉
毎年7/6正午〜7/14深夜

〈コスト〉
・牛追い、素人闘牛への参加 …Priceless!
(代償に死のリスクがついてくるけどね)
・闘牛観戦 Sombra席(日陰席) 公式価格€19
※実際は、かなり事前に購入しない限り、ダフ屋から公式価格より高く買う事になるが、僕はチケット付きの宿を申し込んだ為、実際の価格は不明

GUCCI

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